ブロックの仕方について短くない説明です.

編み物ができ上がったら嬉しくてすぐに身につけたくなりますよね.しかし、レース模様は特に、なのですが、ブロッキングを施します.

使った糸の種類にもちろんよりますが、一般的なウールの話をしましょう.ウールは動物の毛.そして構造上、水に浸してそれを乾かすと、濡れていた時の形を記憶するのだそうです.すごいですよね.形状記憶繊維ですよ.また、水を通すことで編み目が広がり、レース模様がきれいに出ますし、ちょっとだけ引っ張ることで長さの調整をすることもできます.

セーターなどしっかりサイズが気になるものは、最初からそのサイズに針などで印を付けて、それにあわせるようにセーターのサイズ、そして形を調整することができます.

ショールのように、それほどサイズが気にならないものでも、先ほど言いましたように水を通すことで編み目がくっきり浮き出て、最終的なででき上がりの見た目がかなり変わります.

ブロッキングにはいくつか方法があります.しっかり水に浸してしまう方法.カシミアなどのように水に弱い繊維は自分があわせたいサイズにピンで留めてそこに水をシュッシュッとスプレーして、自然乾燥させる方法、または、シュッシュッしてから当て布をして軽くスチームアイロンをあてるなど.これも水に対する繊維の弱さによってその都度考えます.

なぁんて私はたいてい水に浸してしまいますが,気にする人はちゃんとしますよ..



Holden Shawlette です.ブロック前なので、なんかぐにゃぐにゃしていますね




はしっこは丸まっています.ちょっとカッコウ悪い




使った毛糸はMadelinetosh Merino Light, 色はPosy. Ravelryで他の人の作品を見てすごく気になっていた色なのでとてもご機嫌です.さらに、でき上がりの色がとっても好き! 針は4ミリで編みました.

さて、これをぬるま湯に浸すのですが、こちらでは、このような洗剤を売っています.


ほんの1、2滴、水にたらします.

すすぎもいらない、という手洗い用のとてもやさしい洗剤だそうです.でも、泡が残るのは気になるので、私は軽くすすぎます.4リットルの水に小さじ1杯くらいが目安ですが、洗面台でするので4リットルの水も使いません.だから、ほんの1、2滴だけ.

そして、絶対に、編んだものをしぼってはいけません.水分をすっているウールはとても弱くなっているので、やさしく水分を吸収させたあとは、本当に軽く押して水分を取ります.その時に、洗面台の側面にやさしく押し付けて水分を取ることもできますね.私は、これをよくします.それから、タオルの上に広げるのですが、気をつけてくださいね.とにかく、弱くなっているので、丸っと運んであげた方が作品のためです.セーターなどはあらかじめ用意しておいたバスタオルに載せて、それをのり巻きのようにクルクル丸めて水分を取ることもあります.



そして


でき上がりのかたちになるようにピンを打っていきます.




上の直線にも細い針金を通してまっすぐにするのがよいのですが、まだ針金を買いに行っていません..




私が使っている台は主人が買ってきた発泡スチロールのたたみくらいの大きさのものです.針は打てるし、軽くて持ち運びは便利だし、なんといっても大きさがばっちり.こっそり使ってしまいました.子供用のおもちゃでつなげられる大きいブロックがあるんですって.一つのピースが30センチ四方らしいです.それを使っている方達も多いようです.私のブログに来てくださるcoffeebeans さんはお風呂のフタを利用したみたい.これもグッドアイデアですね.

水につけるとサイズが大きくなるので、この台は大きいにこしたことがありません.しかし、置き場に困るんですよ.


ブロック前で横はばが36インチです




ブロックしたら53インチくらいまで長くなりました.




36インチから53インチですよ.約17インチ.センチにして40センチ弱長くなったことになります.約47%伸びました.


たても

たてが約17インチ




ブロック後は26インチ




17インチが26インチになりました.こちらは約53%.
この伸び方は毛糸の種類、パターン、そして編む方の糸の引っぱり方、針の太さに関係します.透かし編みが多ければ多いほど伸びますし、手がゆるかったらもっともっと伸びます.適当にきつめに編んだ方が形を保てると思います.もちろん、これは好みによりますけれどね.

これだけサイズが変わるんですよ.おどろきません? それに編み目が広がったことで軽さが出ます.

前もって10センチ四方くらいの正方形を編んで、ブロックしてどれくらいサイズが変わるかをチェックすることをスワッチと呼びます.時計のブランドといっしょです(笑) これをすると、ある程度でき上がりのサイズの予測ができるので、何かを編む時には必ずスワッチしなさいと、まわりの人たちに口を酸っぱくしていわれます.そのうちにあきらめられそうですが.

ウールは形をおぼえていてくれますが、コットンの糸はそうはいきません.水につけたらただダラーッと伸びてしまうようです.コットンの重いセーターってお洗濯すると型くずれしますよね.もし、コットンの糸で手編みをするなら軽めの糸で少しきつく編むことをおススメします.せっかく編んだのに形がダラダラしたら悲しいですもの.

そして、これは何でも同じですが、数回ブロックをしていくと、だんだん感覚をつかんできます.そして、あ、こんなもんか、と思えるようになるんです.私はそうなると手抜きが始まります(笑)

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