色を遊ぶ

前述しましたように、私には絵心というものがないようです。中高の美術の成績は惨憺たるものでそれ以来、私は絵を描くことが大嫌いになりました。でも、色を見るのは大好き。

太陽のあたり方で微妙に変わる海の青い色、そして雲の後ろに隠れた太陽が差し込み、雲の輪郭がオレンジ色になるときなど、「生きていてよかったぁ」などと大げさに(?)喜びます。誰も見ていないのだから色鉛筆とかクレヨンでスケッチしてみようかなと思いながらもどうも尻込みをするんですよね。これ、やっぱり高校時代のイヤな思い出を引きずっているのでしょう。

編み物も一緒です。暖かさが大切だと思いながらもきれいな色の糸を見るとフラフラっといってしまいます。そしてついつい買い込んでしまうんです。サァ、何を作るのかしら? というのはあとで考えます。

要するに色で遊んでいたいんでしょうね。折り紙とか千代紙も見るのは大好きです。

IMG_7046

この3カセを使ってまたThe Shift を編みます。Spincycle の糸は毛糸屋さんでも売っていますが、私はSpincycleに行って購入してきました。悩む私に色を選んでくれたのは染めを担当しているRachel。とにかく忙しいときに時間を取ってくれて本当に感謝。

いろいろな色を見ていると本当に心が和らぎます。

日本の色の名前ってすてきです。日本人が持っている感性をとても感じます。これは私たちが忘れてはいけないものの一つだと思うんです。独特の感性をぜひ大切にしていきましょう。

広告

100ドルのカウル、高いと思う?

ちょっと離れたところに住む友人からメールが来ました。

「どうしても作りたいカウルがあって、もうすでにパターンは買ってあるのだけれど、デザイナーが使っている糸を使うと約100ドルする。しかも、近所にその毛糸を売っている店がないからオンラインで買わなくてはならないから色目がはっきりわからない。どう思う?」

そのパターンとはAndrea Mowryの The Shift。使っている毛糸はSpincycle 色の移り変わりがきれいですが確かにお高め。

いやあ、そう言われても、というしかなくて、返答に困りました。すごく欲しかったら100ドル頑張って捻出してスタバのコーヒーを1ヶ月くらい我慢すればいいし、と思ったけれど、彼女はスタバのコーヒーは飲まなかったんだ、と思い出し、

「その毛糸を使わなくても自分が納得できるのなら他の毛糸で作ればいいと思うし、でも、それであとでなんとなく納得がいかなくてせっかく作ったカウルが気に入らなくなる可能性があるなら、100ドル出してしまえ!」とかなり無責任な返答をしてしまいました。だって、他の糸を使っても少なくとも50ドルくらいはかかります。

金銭感覚はそれぞれですからね。カウルに100ドルはかけたくなくても夕食に200ドルくらいかけるのはオーケーと思っている人もいるだろうし、逆の人もいますからね。

私はせっかく作るのなら自分が好きな糸でとつい思ってしまうので、それで毎月の毛糸代がかさむんです。
しかし、豪勢な食事に行きたいとも高級車に乗りたいとも、ブランドのアクセサリーが欲しいとも思わないので、これくらいいいかしら、というのが言い訳です。

借金をしないで自分が納得できる範囲ならお金はどう使おうとその人次第なんですよね。まわりの人がなんというとそれはムシ。だって、関係ないのですもの。

とは言っても、やはりお金の感覚の違いは友人関係に微妙な影を落としてしまうのも事実。そこはお互いに推し量りながら言葉は悪いけれど探り合うしかありませんね。これは毛糸を買う時だけでなくて食事に行く時だって、洋服を買いに行く時だって同じ。価値観がずれているとなかなかおつきあいも難しい。

さて、彼女がどういう返事のメールをくれるか少し楽しみ。

おもてなしの心というけれど

日本人の心、「おもてなしの心」。これは日本人の美徳であり忘れてはいけない心なのですが、ここで考えたいのが「おもてなしを受ける側を教育すること」ではないでしょうか?

おもてなしを受けてそれが当たり前だとか、「自分の国ではこうなのに」と主張する人たちに対して、頭を下げてサービスするだけではなく「ここは日本であり、あなたの国ではありませんから、ご期待に沿えかねない場合も多々有ります」ときちんと言える態度を日本の中でも育てないといけないと感じています。

日本は小さいからとか、敗戦国だからなんてすごく昔から言われてきて、それをそのままに受けた政治家たちやら教育者たち、確かに大きくないかもしれないけれど、「だからどうした?」と言いたい。「大きいから」とか「小さいから」なんていうのはなんの理由にもならないし、単なる事実。もう、教えを乞うような、尻尾を振るような態度だけは避けないといけません。

横柄な態度をとるのではありません。毅然とした態度をとるように努力したいと思うのです。

知り合いの女の子は今、日本で日本語を勉強しています。仲間のアメリカ人たちと電車に乗っていると恥ずかしいと彼女は言います。自分もアメリカ人だけれど、電車の中で大声で話しているアメリカ人の友人たちとは一緒にされたくないから少し離れて電車に乗る、と言っていました。他のアメリカ人留学生に

「電車の中だから小さい声で話さないといけない」と言っても、他の学生たちは
「別にいいじゃない。家でだってこれくらいの声で話しているのだから」と言うだけだから、と彼女は話してくれました。

昔は”In Rome, do as Romans do” なんて言葉もありました。しかしそれも消えつつさると思うのです。無理に押し付けることはしたくないけれど、こちらの基準を下げてまで尻尾を振る必要はないのではないでしょうか?

歩きながら編み物をする女性

マフィンを散歩させている時にあった女性。おそらく職場に向かうであろう出で立ちで颯爽と歩きながら手には編み針をそしてウエストポーチからは毛糸が出ているではありませんか。

編み物をしている人を見かけると誰かれ構わず声をかけたくなる今日この頃。

「歩きながら編み物をしているなんてすごい」と話しかけると彼女はパターンを見せてくれて

「歩きながら編むにはふさわしくないと思うのだけれど」と。

そのパターンには縄編みのパターンが4列くらいに並んでいるんですよ。え〜! 机の上に広げてもどこを編んでいるか印をつけないと間違えそうなパターン。それを歩きながら編むなんてすごい!

フェリー乗り場に向かっている女性を長く引き留めるわけにはいきません。一本乗り遅れると次のフェリーは約1時間後ですからね。もっと話したかったのですが切り上げました。家の前を歩いて帰る姿を何度か目撃しているのでキッチンの窓から注意してみていてもう一度話しかけてみようと思っています。気をつけないとストーカーと間違えられかねませんね。

それにしてもすごい。主人に言わせると携帯電話を握りしめながら歩いているのも危ないけれど、編み針を持っていたらもっと危ないんじゃない? ですって。まぁ、こけて針が体をつついたらそれは確かにいたそうですね。

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 編み物(個人)へ

フェリーで移動

今日はフェリーでカナダのビクトリアからアメリカワシントン州のポートアンジェルスという街に戻ります。アメリカのワシントン州のフェリーとの大きな違いは、ワシントン州のフェリーでは渡航中、車の中にいることは許されますが、カナダからアメリカへのフェリーでは犬も含めて車の中に残ることは許されません。途中で車に戻ることも禁止されています。さらに、できるだけ多くの車を載せるために車と車の間はやっと一人の人間が降りれるか降りれないくらいの間隔でとめらされます。とても大型犬が飛んで乗り降りする空間などありません。

IMG_5506

特に今は夏休みでフェリーは混雑していますから、来るときは、後ろから乗って来る車に合図して待っていてもらってマフィンを車から下ろし、ビクトリアについたときはこれまた後ろの車を待たせてマフィンを乗せました。車と車の間をぬって自分の車に戻るのもこれまた大変。また、到着前には車で来た人たちが一斉に下に降りるので階段も大混雑。階段から人の姿がなくなったのを見計らってマフィンは連れて降りなくてはなりませんでした。マフィンは一度降りだすと途中で止まれません。すごい速さで駆け下りるのでお年寄りなどが前にいると危険なんです。

ということで、今回は私はマフィンと歩行者として主人は車で乗船したんです。チケットと氏名、年齢を書いた紙とチケット、グリーンカードを持ち列に並びましたが、ここでまたちょっとした問題が。アメリカ入国手続きというわけではありませんが、パスポートコントロールがあるので人によって時間がかかります。列の進みが遅く、マフィンは座ったり立ったりと神経痛の彼女にはかわいそうでした。

ともあれ、無事に乗り込み、4人がけの席を確保。主人が来るのを待ちました。たまたま彼が車を止めたところが、左側が大きく開いているということ。これなら、ドアを広く開けてマフィンも乗れるから別々に船を降りずとも一緒に車でアメリカに入国できるね、というものの、頭数に狂いが来ても良くないかしら、とパーサーに聞いたら、軽く「いいよ」という返事。税関審査もあるので、時間がかかるんですよ。だから一緒の方が便利なんです。

地続きとはいっても違う国ですからね。パスポート持ったりグリーンカードを持ったり、マフィンの予防接種の証明書を持ったりと大変です。そうそう、一度も聞かれたことはありませんが、彼女のドッグフードもカナダ側に渡るときは封が切っていない新しい袋を必ず持っていきます。一応そういう規則になっているので用心のためですね。

1時間半の船の中ではマフィンはとても大人しくしているので私たちは読書をしたり編み物をしたりゆったりとした時間を楽しめます。マフィンもキャビンの中に一緒にいられるのがありがたいです。ワシントン州のフェリーでは犬は風がピューピュー吹くデッキしかにしかいることができませんから、寒い時にはとても乗れません。

IMG_5504

あと少しでポートアンジェルスに到着します。

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 編み物(個人)へ

遠方から来た友人に帽子を

私は今、シアトル近辺に住んでいます。シアトルから多くのクルーズ船が出るのですが、前住んでいたセントルイスから友人が2人、アラスカクルーズにくるから、近くの毛糸屋さんで会いましょう、と連絡があったんです。

それほど親しかったわけではないけれど、とても印象に残っているのが彼女が編んでいたセーター。ご主人のために編んでいたセーター(それも初めてのセーター!)がとにかく大きくてまるでビヤ樽のような大きさだったんです。編みながら彼女が「重くて」と言っていたのを今でも覚えています。

その彼女は数ヶ月前に卵巣がんが発見されたんです。手術、化学療法を終えた彼女はすっかり髪の毛が抜け落ちていたもののとても元気な表情で現れました。「前向きにしていこうと思うの」という彼女は続けます。

「医者から悪いことを言われたり調子が悪い時には落ち込むこともあるけれど、そのままじゃいけない、って自分に言うの。せっかく生きているのだから下を向いていないで楽しいことを探して生きようとおもうの」

シアトルとセントルイスは飛行機で約4時間かかります。車で行こうとしたら4、5泊しないとまずは無理。もしかしたらもう会うことはないかもしれません。

そんな彼女に帽子を編みました。

IMG_5291

彼女の頭のサイズに合うといいのですが。。。昨日会った時に渡しました。

ついでと言ってはなんですが、水通しをする前とした後の写真も撮ってみました。2枚作れたので比較ができます。

IMG_5311

大きさが違うでしょう? 重ねてみるとこんな感じ

IMG_5312

同じ色なのでちょっと見にくいのが悔しい。

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 編み物(個人)へ

戻ってきた手帳

編み物をしていると本当にいろいろな人と出会い、おしゃべりをする機会に恵まれます。

これも先日、たまたまカフェで出会った女性の話。彼女は旅行中で、近くの毛糸屋さんをまわってきたと、毛糸やパターンが入った袋を見せてくれました。そして、

「聞いてくれる? いい話なのよ。この間、フロリダの毛糸さんで買い物をしたとき家、その後に食事したレストランに、編み物の手帳を忘れてきたの。編んでいるもののパターンの名前や、使っている針の号数、そして、自分で手を加えた部分を書き込みながら、その日あったことを少しだけだけど書いてきた、私の日記みたいなもの。毎日持って歩いているものだから見つからなかったときは大ショック。落ち込んじゃったわ。別の手帳を買ってまた新しく始めたのだけれどね、その手帳の中にたまたま友達の住所がかいてあったものだから、拾ってくれた人が彼女のところにその手帳を送ってくれたの。そして、私の手に戻ってきたというわけ。編み物をしない人だったら中を見たってまるで暗号が並んでいるようにしか見えないだろうから、きっと忘れてきたのは毛糸屋さんだったのね。私の電話番号も名前も書いてなかったから唯一の手掛かりの友人宅に送るしかなかったのでしょうね。でも感激。わざわざ郵便局まで行って送ってくれたのですもの。その人にお礼をと思ってさっき紅茶を買って来たのよ」

金銭的に価値があるものではないけれど、自分にとってとっても貴重なものってありますよね。それをなくしてしまったら、暗〜い気分になってすごくがっかりしているだろうなぁ。ちょっとした人の親切だと思っても相手の人に与える暖かみってすご〜く大きいのでしょうね。

全く見ず知らずの人でしたけれど、この話を私にしてくれているときの彼女の表情はとっても嬉しそうでした。

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 編み物(個人)へ