遠方から来た友人に帽子を

私は今、シアトル近辺に住んでいます。シアトルから多くのクルーズ船が出るのですが、前住んでいたセントルイスから友人が2人、アラスカクルーズにくるから、近くの毛糸屋さんで会いましょう、と連絡があったんです。

それほど親しかったわけではないけれど、とても印象に残っているのが彼女が編んでいたセーター。ご主人のために編んでいたセーター(それも初めてのセーター!)がとにかく大きくてまるでビヤ樽のような大きさだったんです。編みながら彼女が「重くて」と言っていたのを今でも覚えています。

その彼女は数ヶ月前に卵巣がんが発見されたんです。手術、化学療法を終えた彼女はすっかり髪の毛が抜け落ちていたもののとても元気な表情で現れました。「前向きにしていこうと思うの」という彼女は続けます。

「医者から悪いことを言われたり調子が悪い時には落ち込むこともあるけれど、そのままじゃいけない、って自分に言うの。せっかく生きているのだから下を向いていないで楽しいことを探して生きようとおもうの」

シアトルとセントルイスは飛行機で約4時間かかります。車で行こうとしたら4、5泊しないとまずは無理。もしかしたらもう会うことはないかもしれません。

そんな彼女に帽子を編みました。

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彼女の頭のサイズに合うといいのですが。。。昨日会った時に渡しました。

ついでと言ってはなんですが、水通しをする前とした後の写真も撮ってみました。2枚作れたので比較ができます。

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大きさが違うでしょう? 重ねてみるとこんな感じ

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同じ色なのでちょっと見にくいのが悔しい。

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戻ってきた手帳

編み物をしていると本当にいろいろな人と出会い、おしゃべりをする機会に恵まれます。

これも先日、たまたまカフェで出会った女性の話。彼女は旅行中で、近くの毛糸屋さんをまわってきたと、毛糸やパターンが入った袋を見せてくれました。そして、

「聞いてくれる? いい話なのよ。この間、フロリダの毛糸さんで買い物をしたとき家、その後に食事したレストランに、編み物の手帳を忘れてきたの。編んでいるもののパターンの名前や、使っている針の号数、そして、自分で手を加えた部分を書き込みながら、その日あったことを少しだけだけど書いてきた、私の日記みたいなもの。毎日持って歩いているものだから見つからなかったときは大ショック。落ち込んじゃったわ。別の手帳を買ってまた新しく始めたのだけれどね、その手帳の中にたまたま友達の住所がかいてあったものだから、拾ってくれた人が彼女のところにその手帳を送ってくれたの。そして、私の手に戻ってきたというわけ。編み物をしない人だったら中を見たってまるで暗号が並んでいるようにしか見えないだろうから、きっと忘れてきたのは毛糸屋さんだったのね。私の電話番号も名前も書いてなかったから唯一の手掛かりの友人宅に送るしかなかったのでしょうね。でも感激。わざわざ郵便局まで行って送ってくれたのですもの。その人にお礼をと思ってさっき紅茶を買って来たのよ」

金銭的に価値があるものではないけれど、自分にとってとっても貴重なものってありますよね。それをなくしてしまったら、暗〜い気分になってすごくがっかりしているだろうなぁ。ちょっとした人の親切だと思っても相手の人に与える暖かみってすご〜く大きいのでしょうね。

全く見ず知らずの人でしたけれど、この話を私にしてくれているときの彼女の表情はとっても嬉しそうでした。

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思い出の「間違い」

ワインのティスティングルームであったフロリダに住む女性との会話です。

彼女はワインを片手に編み物をしていました。わけないか。編み物は片手ではできないから。ともかく、ワインを飲みながら生まれてくるお孫さんのためにカーディガンを編んでいたんです。トップダウンですから首回りから初めてボタンダウンも編み出す私好みのシンプルなパターン。

しばらくして気がついたのは、2目ゴム編みがいつ間にか数段メリヤス編みになっていること。あらら、まだ酔っ払っているわけじゃないのに、と睨みをきかせながら編み物袋にしまったところに私がお店に入って行ったようです。

私はアルコールは飲みませんから、ただ、それまで飲んでいた主人を迎えに行っただけなんですけれどね。夕食をどこかで食べようかと思って。

このカップルの男性と立ち話をしていた主人が私に「彼女も編み物をするんだよ」というところから話が始まります。前書きが長くてごめんなさい。

彼女は私に間違えてしまったカーディガンを見せながら、

「これなのよ。いやでしょう?」 というから
「そこだけほどいてかぎ針で目を拾えば?」 と私。
「私もそう思ったのよ。でもね、主人が「君、それはほどいちゃダメだよ。この島への旅行の思い出にすればいい。これから生まれてくる孫がこのカーディガンを着た時に、その間違えたところを見て、今回の旅行の時に編んでいたんだな、あのワインを飲んでいたな、と思い出せたら素敵じゃないか」と言うのよ。だから、ほどくのやめようか悩んでいるの」

なんて素敵なご主人様。思いついて言いました。

「その間違いをパターンにしてしまえばいいのよ。ゴム編みとメリヤス編みを交互に編んだら、それはそれでパターンとして成り立つもの」

「それいいかも」という話に始まり孫の写真を見せ合い、犬の写真も見せ合い、立ち話が延々と続くのでした。

それにしてもご主人様の提案はグッドアイデア! 拍手を送りたいです。「思い出」の一つとしてとっておけますものね。ナイスなご夫婦でした。

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無理に使わなくてもいい

編み物、パッチワーク、洋裁、ビーズ、いろいろ手作りの趣味をお持ちの方はついつい買い込んでしまって、材料の在庫が山積みになるなんていう経験ありませんか? 買った時は絶対にこれが欲しい! とか、⚪️⚪️を作るために買っておこうなんててにとったものの時間が経つにつれて忘れてしまったり… よくあることですよね。

お金をかけて買ったのだから、使わないなんてもったいない、申し訳ない、と思うことがよくあって引っ越すたびに一緒に移動してきたものたちですが、いろいろ考えておそらく編まないであろう糸たちは寄付することにしました。自分が抱えていて使わないなら、誰かに使ってもらった方がいいに決まっていますし、楽しくなく編み物をするのは何か間違っているように思うんです。

どの毛糸とサヨナラができるかわかりません。でも、少し減らそうと思います。そうしないと私に何かがあったときに子供達が愕然としそうですから(笑)

そんなことを考えていたら、今日、つねに一つのものしか編まない友人に言われました。

「あなたが、幾つものプロジェクトを抱えているという話を聞いて、考えたのよ。それも悪くないなって。今まで、一つのものが終わるまで次のものは始めない、と決めていたから誰かが編んでいたものがどんなに素敵であってもそれを始めることはしなかったのよね。でも、それじゃ、せっかくの編み物会の楽しみを私は味わっていないな、と思ったのよね。だから、一つとは決めないで「あれステキ!」と思ったらやり始めてみようと思うの。必ずしも編み始めたものが全部気にいるとは限らないじゃない。苦痛になっている時だってないわけじゃないんだもの」

いいこと言うじゃない。と思った私は

「プロジェクトバッグが必要よ。それぞれの編みかけのものをちゃんと巾着袋にしまっておかなくちゃね。パターンと一緒に」と言っておきました。そうしないとわけわからなくなりますからね。

そう、人生、楽しめる時に楽しむのがいいんですよ。自分に「こうあるべきだ」と課すのはもうやめましょう。

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木のボタン

友人のお店で編み物をしながらおしゃべりをしていたら男性が入ってきました。彼はボタンを作っているようで友人とも顔見知り。サンプルのようなボタンを持ってきて言うには、

「急いで車に飛び乗ってきたから財布を家に忘れてきちゃったんだ。車にガソリンを入れないと家まで帰れそうにないし、フェリー代も持っていなくて困っているんだよ。」

友人は

「そのボタン、全部買い取るわよ。ほら、ここにあなたのボタン、置いてあるでしょ。」

すると男性は

「そう言うわけにはいかない」と言うけれど、じゃぁ、どうやって家に帰るつもりなのでしょう?

結局、友人が20ドル札1枚を差し出して、ボタンを購入。それがこのボタンたち。

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Madrone の木の枝を切って紙やすりで削り、穴を開けたものですが、見ていただけるとわかるように、木目が面白く出ているんですよね。さて、この木は北アメリカに多く生息するそうです。日本語ではいったいなんと言うのだろうと調べたら、「いちごの木」だそうです。確かに英語でもstrawberry tree と言うそうですから、あながち間違いではないでしょう。

男性の言葉が本当か嘘かはわかりません。でも、素敵なボタンを手に入れたと思えば彼の言葉の真実はあまり関係ないのかもしれませんね。

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手編みはお金がかかってない?

ある人が言いました。「私の家族はプレゼントに手作りのものをあげると、買うよりも手作りをしてお金を安くあげているのね、と言うの」

手作りの方が安上がりだという印象を持つ人はもしかしたらいまだに少なくないのかもしれませんね。でも、毛糸の価格を考えたらそれがいかに間違っている認識かがわかります。さらに、素材が良い毛糸を選んだらなおさらです。そこに、編んでいる人の愛情、時間、そして手間がはいるのですからどんなに暖かいプレゼンになることか。

また、手作りは市販のものよりも形が悪いとか、出来上がりの見栄えが悪い、と思う人もいるのかもしれませんね。もっとも、何をするにしてもまだまだ初心者の時にはなかなかうまくいかないもの。でも、そういう時期をへて誰でも技術を上達させて行くのだから、仕方がないことです。練習を積んで皆、いろいろなことができるようになるんですよね。家族ならそれを応援してほしい、と思います。

どんなに素敵で複雑なパターンのショールをプレゼントしても、

「あら、これあなたの手編みなのね」とフンと鼻であしらいクローゼットの中にしまわれるのを見て、彼女はもう2度と手編みのものを編むまいと決心したそうです。

ふと思いついて彼女に言いました。

「あなたが編んだものをどこかで買ったことにしてプレゼントして見たら?」 と。人を試すようなことをするのは好きではありませんが、実際目の前にあるものを見て判断するのではなく、「手編み」か「市販」かというレッテルで判断する人の、基準がどの辺にあるのか、少し見えるような気がししたものですから。

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あなたの孫にセーター編んでいいかしら?

編み物仲間の中にとても現実的な人がいます。自分の家族に何かを編んだってクローゼットからあふれるだけ。それなら誰かのために編みたいし、小さい子供のものならすぐに編めるし、ということで、

「あなたの孫にセーター編んでいい?」 という質問が飛び出すんです。しかも、自分で毛糸を買うといいます。

しかし、編んでもらってさらに毛糸まで買ってもらうわけにはいかない、と「自分で毛糸は買うわ」という人の方が多いです。しかし、どの人もみんな編み物をします。だから、どの孫もそれなりに手編みのセーターとか帽子はすでに持っているはず。。。 

編み物をしない人ならまだしも、編み物をする人に手編みのものをプレゼントすることは避けるようにしてきたんですよね。でも、気持ちは気持ちですから、「してあげたい」という気持ちがどういう形で出るかは人それぞれなのかもしれません。

でも、ソックスとかは家族の分を編むのはそれなりに大変だと思うんですよねぇ。足が大きかったらなおさらでしょう? 

手編みのプレゼントが手慰みのプレゼントにならないようにと、これだけは心がけているつもりですが、それでも押し付けのプレゼントが渡っているかもしれません。冷や汗と笑いです。

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