質が良いものは美しいし,悲しいかな(?)高い。。。

もうすぐ編み上がるショートソックスの片側を編み上げたいのに,どうしても書きたい気持ちが勝ちました。

ちょっと前に,幸田真音さんの「舶来屋」を読んだんです。普段、私が考えていることがあちらこちらに見つけられて,膝を打ちながら(ウソですけれどね)読んでいた,そんな感じ。皆様も,よろしかったら,ぜひ手に取って読んでみてください。ヨーロッパブランドを日本に紹介した方を主人公にしたフィクションとノンフィクションの両面を含んだ一冊です。

ブランドと言えば,エルメス、グッチ、シャネルなど,高価なものばかり。でも,よーく考えたら裏には職人さんたちの長い時間をかけて築き上げた技術、鍛錬、信条、プライドなどいろいろなものが一つになりでき上がったものですから,高価なのが当然。もちろん選び抜かれた材料を使っているのですからね。だからこそ,ブランドなのだと思います。指をくわえて「いつか欲しいな〜」と夢見るのがブランド。

しかし,今ではそのブランドも,その土地に行かずとも購入することはできるし,まがい物はあふれているし,アウトレットなんかできてしまったら,その価値はどん底に落ちていく。。。というのはちょっと過激? 夢を与えてくれるはずのブランドが,なぜか,夢ではなく所有欲ばかりにかられる人間を作るものになってしまったのはとっても悲しい,と思う今日この頃なのですが、こんなエピソードを思い出したんです。

去年,息子にカウルを編みました。写真を載せられないのが残念。Swan Island という会社の fingering yarn 。パキパキの Made in U.S.Aの糸です。だから,根も張りました。しかし,「アメリカの地場産業を助けずどうする!」 とつい,がんばってしまったんですよね〜。 2かせ使いました。60ドルでした。でも,出来上がりは,軽いし,暖かいし,色もステキで私も大満足の作品となりました.

彼のカウルを見た,会社の同僚が

「そのカウル,すごくいいね。ぼくも買いたいんだけど,どこで買ったの?」
「いや,母が編んでくれたから。。。」
「頼んだらぼくにも編んでくれるかなぁ?」 というところで次男から電話があったんです。

「編んでくれる?」と。
「毛糸代だけくれれば編んであげる。材料費はいただかないと困るかな。。あなたと同じ毛糸を使うなら60ドル。別の毛糸を使えばもう少しエコノミカルにできるわよ」

数時間後,次男からまた電話。

「同僚が,60ドルのカウルなんて聞いたことがないよ。町を歩けば10ドルくらいのカウルがあふれるほど売っているのに」

ということで話は立ち消えになったそうです。そう,彼の言う通り,廉価のカウルはあちらこちらで手に入ります。でも,触ってみたり,首に回ってみたら,私のカウルとの差は確実にわかるはず。。と思った数分後,こうも思いました。

「質がよいものを価値を認められるだけの目、心を育んできていなかったら,質の良さがわからないかもしれないなぁ」と。

自分のものにしなくても,お店を回ったり,手に触れたりで,質の良さを感じられる感性は誰でも身につけられるものだと思うのですよ。使い捨て文化で,「安ければいい」いえ,「安い方がぜったいにいい」「安くないものはよくない」という考えが主流になりつつあるアメリカでは,質の良さを見る目を育てるのはかなり難しそうですが。。。

そう,最後になりましたが,もうすぐ始まるオリンピック。アメリカ選手団のユニフォームがRalph Laurenがデザインしたものなのですが、なんと、made in China だそうです。国を挙げて戦うオリンピックのユニフォームが自国で作られたものではないことに,いろいろな意見が飛び交っています。それでなくても失業率が高いアメリカで,どうして国内で生産したものを着用しないのか? 私も同感でした。



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